テレビCM放映にかかる費用とは?放映エリアや時間帯でも異なるCM料金

テレビCMを放映するためには、まずCMを制作し、さらに制作したCMをテレビ局に放映してもらう必要があります。このため、ある程度まとまったお金が必要なことはよく知られていますが、いたずらに高額なイメージを抱いている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、テレビCMにかかる費用の中でも放映に関わる「放映費」について、概要と費用を抑えるポイントとともに解説します。

テレビCMの放映には「制作費」と「放映費」がかかる

テレビCMを放映するためには、大まかに分類すると「制作費」「放映費」の2つがかかります。それぞれ、以下のような内訳です。

制作費
テレビCMとして放映するための映像を制作する「動画制作費用」。企画費用・出演料・撮影料・編集費といった種類に分かれる。

放映費
制作したCMをテレビで放映するために、テレビ局にCM枠を提供してもらう「広告料金」

今回は、テレビCM放映にかかる費用のうち、実際にテレビ局にCM枠を提供してもらうための「放映費」について詳しく説明します。

テレビCMの「放映費」とは

テレビCMの「放映費」とは、テレビ局にCM枠をおさえて放映してもらうための費用のことです。その費用は一律ではなく、テレビ局や番組、放映される時間帯によっても大きく差が出ます。

放映費がいくらになるかは、以下3つのポイントが関わります。

  • ローカル局か、キー局か
  • 放映時間帯、番組
  • CMの長さ

いずれも、「より多くの人に見てもらえる可能性が高いほど、料金が高い」という基本法則があります。放映費を決めるそれぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

「キー局」と「ローカル局」

まずは、キー局・ローカル局というテレビ局の違いからご紹介します。

キー局
番組放映のネットワーク系列における、中心となる局。自社で制作した番組を、各地方のネットワーク系ローカル局に送り出す

 例)FNS系列のキー局はフジテレビジョン

ローカル局
一定の地域が放映エリアとなる局。キー局発の番組を放映するほか、ローカル番組を自社制作することもある

 例)FNS系列のローカル局には、北海道文化放送・石川テレビ・テレビ愛媛などがある

キー局は人口の多い都市部にある局で、ローカル局は地方に位置する局です。つまり、人口の多い都市部に放映エリアを持つキー局でCMを放映するほうが、より多くの人に見てもらいやすいと考えられます。そのため、一般的にキー局の方が放映費が高く、ローカル局の方が放映費が安い傾向にあります。

「スポットCM」と「タイムCM」

また、テレビCMには「スポットCM」「タイムCM」の大きく2つに分けられます。

スポットCM
 各ローカル局の放映エリアでのみ放映される、時間帯別のCM。キー局でも、放映圏域のみで放映される。

タイムCM
 個別の番組に提供し、その番組内の枠で放映されるCM

タイムCMにはさらに「ネットタイム」「ローカルタイム」という枠があり、キー局のネットタイム枠を購入した場合、系列のネットワーク局を通じて全国でCMを放映できます。ローカルタイム枠は、放映局のエリアでのみ放映されるCM枠です。これに対し、スポットCMを全国で放映したい場合、各ローカル局のCM枠を別々に購入しなくてはなりません。

放映時間帯・番組で料金が変わる

放映費は、放映時間帯や番組によっても変わります。放映時間帯で分ける「スポットCM」と、個別の番組で分ける「タイムCM」について、料金の決め方を詳しく見ていきましょう。

スポットCMの場合

放映局ごと、時間帯ごとにCM枠が設定される「スポットCM」の場合、「GRP(延べ視聴率)×パーコスト」で放映費が決定されます。

GRP
一定期間で放映したCM1本ごとの視聴率を合計したもの。主に「テレビCMがどのくらい媒体に露出したのか」を表す際に用いられる

パーコスト
視聴率1%あたりの金額。テレビ局によって1%あたりの人数が異なるため、局ごとに金額が異なる

パーコストは都市部の方が高く、地方ほど低く設定されているほか、テレビを視聴する人が少ない昼間は低く、視聴する人が多いゴールデンタイムなどは高く設定されています。

スポットCMの代表的な展開パターンとしては、以下の4種類があります。

スポットCMは多くの人に視聴してもらうための方法なので、知名度アップやお知らせを主目的としたCMにおすすめです。人気の時間帯で放映することも一つの手法なのですが、CMのターゲット層が絞れているなら、ターゲット層だけに訴求する時間帯を選んでコストを抑えながら効果を高める方法もあります。

タイムCMの場合

タイムCMの場合、以下のような要素で番組ごとに放映費が設定されます。

  • 番組の人気
  • 視聴率
  • ターゲット層

例えば、子どもから大人まで多くの年齢層に向けた人気番組で、視聴率が高いと放映費は高くなります。しかし、番組によってターゲット層が異なるので、スポットCMと比べてよりターゲット層を絞り込んでアプローチしやすいCM枠です。

CMの長さは決められている?

CMの秒数は15秒や30秒が多いのですが、スポットCMは15秒刻み、タイムCMは30秒刻みで長くすることもできます。CMを放映する時間が長くなるにつれて放映費も高くなりますが、タイムCMの場合は以下のように放映時間を長くすると、詳細な提供表示ができます。

  • 30秒…「ごらんのスポンサーの提供でお送りしました」
  • 60秒…社名、または商品名の表示
  • 90秒…簡単なキャッチフレーズも含められる

テレビCMの放映費を抑えるには?

テレビCMの放映費を抑えるためには、以下のポイントを意識すると良いでしょう。

  1. ターゲット層に合った、ローカルタイムCM枠にする
  2. スポットCMで、時間帯を絞る
  3. CMの長さを15秒や30秒など、最小単位にする

とはいえ、単にコストを下げるだけではターゲットに見てもらえる可能性も下げてしまうため、効果に結びつかないかもしれません。「urutere(ウルテレ)」なら、放映時間を把握して精度の高い分析を行い、よりターゲット層に訴求しやすく費用対効果の高いテレビCM、コストを抑えたテレビCMの放映枠をご案内できます。

まとめ

テレビCMの費用は「制作費」と「放映費」の2つからなり、制作費は映像を作るための費用、放映費は作った映像をテレビ局で放映してもらうための費用です。コストを抑える方法はいろいろありますが、ウルテレなら独自に蓄積した豊富な実績データをもとに、よりターゲット層に合わせた費用対効果の高いCMを提案・制作できます。新しい広告の手法を試したいと考えている方、ハードルが高くてチャレンジしにくいなと感じている方は、ぜひチェックしてみてください。