テレビCMを放映するためには、まず放映するための映像(動画)が必要です。では、その映像は一体どのようにして作られるのでしょうか。企画から実際に制作し、放映するまでの流れを費用感とともに確認しましょう。視聴者により効果的に訴えかけられるような、魅力的なCM作りのコツも同時にご紹介しますので、初めてテレビCMを手掛ける方はぜひチェックしてください。
テレビCM制作の流れ
まずは、テレビCM制作の流れを5ステップで確認してみましょう。
1.企画・プランニング(10万円〜30万円)
商品やサービスを作るのと同じように、入念な打ち合わせと企画・プランニングが必要です。映像制作会社に依頼するか、企画から制作まで自社で行うかによって一部打ち合わせする内容が変わることがありますが、いずれの場合も以下のポイントをしっかり話し合いましょう。
目的:CMで何を伝えたいのか
アピール:商品やサービス、自社など何を紹介するのか
ターゲティング:年齢、属性など、どんな人に届けたいのか
まず初めにアピールしたい商品やサービス、自社ブランドなどがあり、それをどう伝えるかという目的につなげる必要があります。さらに、誰に届けたいのかをターゲティングします。
CM制作会社などを挟む場合は、自社・商品・サービスについてしっかり説明しましょう。イメージのモデルとなるCM、好きなCM、最も主張したいポイントなどを固めておくと話がスムーズに進みやすくなります。
2.絵コンテ作成(4万円〜10万円)
映像の内容や流れを絵と説明文で書いた表で、CMの設計図とも言えるものです。一般的に絵コンテでは複数の案を作り、その中から選ぶことになります。
場合によっては主軸となる案を一つ選び、他の案から良い要素を組み合わせて最終稿とする、などの方法もあります。この段階ではまだまだ融通がきくので、変えたいところがあれば絵コンテの段階が終わるまでに出しておくと良いでしょう。
3.撮影(20万円〜80万円)
詳細な絵コンテ、撮影スケジュールなどがすべて決定したら撮影開始です。タレントなどを起用する場合は本人のスケジュールの調整もしなくてはなりません。撮影の場所は制作するCM映像に合わせ、スタジオ・屋外・ロケなどを使用する方法があります。
・スタジオ撮影
大掛かりなセットを組むなら映画の撮影所など、小規模で良いならスチール(静止画)撮影用など比較的小さなスタジオでもOK。セットを組むときは美術製作者など大道具を担当するスタッフが必要となるケースもあります。
・ロケーション撮影
国内と海外ではスタッフ構成も機材の手配も全く異なるので、予算・人員・CM構成などに合わせて選びます。屋外での撮影は天候に左右されるので、注意が必要です。また、海外ロケでは現地の制作プロダクションやスタッフを依頼することもあります。
・ロケセット撮影
経費削減、または撮影スタジオが押さえられなかった場合、既存の建物や部屋をそのまま、もしくは手直しして行う「ロケセット撮影」をすることもあります。場所をレンタルするため、備品を壊さないように注意しましょう。
CMの尺は種類によってもさまざまですが、一般的に15秒から30秒程度なので、撮影は1日で終了するケースが多いです。
4.編集(15万円〜40万円)
撮影した映像は、放映できるCMの形に仕上げる必要があります。
・仮編集
撮影した映像はまだ素材の状態なので、編集によって魅力あるCMへと仕上げます。仮編集では絵コンテをもとに、撮影素材をカットしたり繋ぎ合わせたりして、より良いCMへと試行錯誤を重ねていきます。仮編集後は一度確認し、最終変更点をチェックします。
・本編集
仮編集した映像から、変更点を踏まえて実際に編集し、CMを完成させます。
本編集以降の修正はできませんので、この段階で変更したいところがあれば仮編集までに済ませておきましょう。本編集以降にどうしても修正したいという場合、追加の時間や予算が必要になります。
5.納品・放送枠の決定(費用差が大きい)
本編集が済んだら納品し、最後に予算に合わせてどのテレビ局のどの時間帯にCMを放映するか決定します。放送枠の決定は本編集から納品までの間に行われることもありますが、主に以下のようなポイントを考慮した上で決定されます。
- どの地域で放映するか
- どの時間帯や番組で(どのターゲット層に向けて)放映するか
- どれくらいの期間放映するか
ターゲット層に目的・アピールをしっかり届けるためのものなので、まずはターゲティングから行います。ローカル局かキー局か、タイムCMかスポットCMかなどで費用が大きく変わるため、ある程度予算に合わせて選ぶのも良いでしょう。初めてテレビCMを放映するなら、期間や尺に融通がききやすいスポットCMがおすすめです。
魅力あるテレビCMの作り方とは?
では、魅力あるテレビCMを作るためにはどんなことに注意すれば良いのでしょうか。2つのポイントを見ていきましょう。
思わず見てしまうテレビCMを作る
テレビCMは何気なく流される一方、「思わず見てしまう」という魅力づくりが重要です。主なポイントは、以下の2つです。
- 15〜30秒間にストーリーを作る
- 競合他社のCMと差別化する
商品やサービスのベネフィット(利点)を端的にわかりやすく、インパクトを持って伝えるストーリー(構成)と映像を作りましょう。加えて、競合他社のテレビCMが既に放映されている場合、差別化できるような表現をする必要があります。
視聴者の目を引くCMプランを練る
テレビCMは、大まかに以下の4種類に分類できます。
・商品直接型
宣伝したい商品やサービスがメインで、魅力や伝えたいメッセージなどをはっきりと強調する。
例:食品のCMなど
・商品間接型
商品やサービスはあえて脇役とし、全体的にドラマ仕立てにして、間接的にその商品をアピールする。
例:携帯電話会社など
・理念直接型
企業のメッセージを、ストーリー構成やメッセージに直接込める。
例:AC(日本公共広告機構)など
・理念間接型
一見すると何のCMかわからないようなストーリー展開を見せ、最終的にその企業の理念へ着地するタイプ。
例:Amazonなど
どの方法がターゲットに最も訴求しやすいかをよく検討し、最も効果的な手法を選択しましょう。前述のように、「思わず見てしまう」という魅力づくりも重要です。
まとめ
テレビCMは企画・プランニングから絵コンテ、撮影、編集、納品と放送枠の決定まで5つの段階があります。CM制作会社に依頼する場合は、企画・プランニングや絵コンテ、仮編集の段階で入念な打ち合わせが必要です。魅力あるCM作りのコツも参考に、費用対効果の高いCMを作るならぜひ一度ウルテレにご相談ください。