テレビCMの効果を分析する方法とは?必要なツールもご紹介

イメージ画像

商品やサービスを提供するのと同じように、継続的に効果を維持したり、より良い効果を得たりするためには、テレビCMを放映した際にも結果の分析が必要です。そこで、今回はテレビCMの効果を測定した後、分析する方法についてご紹介します。必要なツールについてもご紹介しますので、効果分析ツールの導入をお考えの方はぜひご一読ください。

テレビCMの効果は見えづらい?

テレビCMで多く使われる効果測定方法は「GRP(グロス・レーティング・ポイント)」と呼ばれるものです。GRPとは日本語で「延べ視聴率」のことを指し、ある一定の期間中に放送されたテレビCMの「世帯視聴率」の合計を指します。GRPは、そのテレビCMが「どれだけ露出できるのか」を表す指標です。

ここで言われる視聴率は、視聴していたかどうか、というより、「テレビがついていたかどうか」を計測します。つまり、テレビをつけっぱなしにして見ていない時間も含まれるため、効果測定の方法としてやや弱いことが指摘されているのです。

テレビCMの効果を可視化するには

イメージ画像

そこで、テレビCMの効果を可視化するには、前述のGRPを他データと比較し、分析することが重要です。ブランドや商品による違いを可視化する方法と、エリアによる違いを可視化する方法の2通りをご紹介します。

ブランドによる違いを可視化する

競合他社とのテレビCM効果の違いを分析するには、GRPと商品やサービスの販売データを比較することが重要です。GRPと販売店率、GRPと販売金額を見ることで、テレビCMの効果がどのように現れたかわかります。

食品メーカーと小売店の間で商談を行うとき、GRPが用いられることがあります。この商談では、「GRPが高い=より多く消費者に対してテレビCMをリーチできる」ことで売り込みをかけるのです。店舗側からすれば、GRPが高いほどより消費者が見る、つまり「売れる」商品である、という一つの指標になります。

そのため、GRPが高いほど店舗の取り扱いが増え、販売店の数や率が上がり、売上を伸ばすことにもつながっていくと言うわけです。

ここで注目すべきは、同程度の販売規模のブランドが同程度のGRPを投下したとしても、投下後(CM放映後)に同じ効果が出るとは限らないということです。

テレビCM投下後の販売店数が増えたり、販売金額が上がったりしているなら、テレビCMの訴求効果が大きかったと言えるでしょう。逆に、テレビCM投下後の販売点店数や販売金額に大きな変化がなければ、テレビCMの訴求効果は小さかったと考えられます。

もちろん、効果は検証するだけで終わりではなく、テレビCMの訴求効果が低かった場合は改善案を検討する必要があります。競合他社や商品と比較し、分析することが重要です。また、どんな点に問題があったか仮説を立てた場合は、アンケート調査などさらに他のデータと比べることで、さらに効果的な施策を打ち出すこともできるでしょう。

エリアによる違いを可視化する

テレビCMの効果の違いは、エリア別にも可視化できます。CMの出稿量はエリアによっても異なりますので、GRPが異なるためです。日本の小売店はローカルチェーンが多いため、前述のように小売店との商談にもGRPが関わってきます。

小売店との商談で売り込みに使われるように、GRPの多さは商品の売れ行きに関わってきます。エリアごとに人口の差はあるものの、同じ人口あたりの比率で見れば、GRPの高いエリアほど商品の販売金額が増える傾向にあります。

エリアによる違いを可視化する方法として、販売店率販売金額に着目する方法もあります。これとGRPを比較することで、どのエリアでテレビCMによる販売効果が大きかったかがわかります。テレビCMの効果が低かったと考えられるエリアでは、雑誌や新聞などの紙広告、Web広告などのデジタル施策と合わせて補完することが重要です。

GRPは単独では効果が見えにくいとされていますが、このように他のデータと合わせれば決して効果が見えないわけではありません。テレビCMの放映後、都度検証を行っていけば、より迅速にマーケティング施策の改善もできるでしょう。

Web広告と組み合わせる

テレビCMだけで直接的に購買やサービス契約につなげるのではなく、テレビCMはあくまでも入り口とし、その中で興味を持ったターゲット層だけをより成果につなぎやすいWebサービスに誘導する、という手法も有効です。

この手法では、認知度アップの方法としてGRPを活用し、クロスチャネル※1カスタマージャーニー※2などの考え方も取り入れていきます。ウルテレでは、これらの考え方も含めたテレビCMとデジタル施策の連動もご案内可能です。

※1 クロスチャネル
インターネットなどデジタル、テレビ、雑誌、コールセンターなどマーケティングを行う経路(チャネル、顧客と販売側の接点)を複数、かつ横断しながら利用するもの

※2 カスタマージャーニー
顧客がどのようなフローを辿って商品やサービスに辿り着き、購買に至ったかの経緯

テレビCMの効果分析に必要なツールとは?

イメージ画像

最後に、テレビCMの効果分析に必要なツールをご紹介します。

CCCマーケティング「MKW Program Optimizer」

CCCマーケティングとは、TポイントやTマネーなどを取り扱う会社と関連するマーケティング企業です。関連事業とそれに付随するネットワークから得た豊富なデータを情報として解釈し、デジタル広告やメール・DMなどの施策に活かしているのが特徴です。

テレビCM出稿分析ツール「MKW Program Optimizer」は、関東・中京・関西エリア25万人のテレビ視聴データと購買データを連携させ、ターゲット層への効果が最適とされる番組の組み合わせを比較・発見できます。

男女別や年齢別、子どもや自動車の有無、世帯年収といったさまざまなターゲット属性と出稿金額を設定し、リーチ率や推定リーチ人口、リーチ効率などを評価できます。さらに、それらを評価指標標準に並べ替えるソート機能、データをダウンロードできる機能も備えています。

他の分析サービスと大きく異なる点は、やはりグループ企業ならではの豊富な購買データがあることでしょう。TポイントやTマネーは非常に多くの人が使っているサービスなので、購買データに信憑性が生まれます。今後は、日本全国約39万人のテレビ視聴データを対象に、サービス拡大も予定されています。

スイッチ・メディア・ラボ「SMART」

こちらは関連企業から集めた購買データとの関連性を見るものではなく、あくまでもテレビ視聴データに特化した分析ツールです。しかし、GRP(世帯視聴率)と比べてさらに詳細な個人視聴データを分析することができます。

例えば、性別・年齢・未既婚・職業などの基本属性に加え、購買行動や通信・メディア、ライフスタイルなどの属性も考慮しながら視聴データの分析が可能です。例えば「月に5,000円以上美容にお金をかける人」といった属性のカスタマイズが可能になり、ターゲット属性を詳細に絞り込んだ設定ができます。

スイッチ・メディア・ラボ「SMART」

まとめ

テレビCMの効果は可視化しにくいと言われていますが、それは単純にGRPだけを指標とした場合です。効果を測定するだけでなく、測定したGRPと各種データを組み合わせることで効果の分析ができます。効果の分析に必要なツールはさまざまですが、ここでは代表的なものをご紹介しました。ウルテレではGRPだけではなく、より費用対効果を求めやすい独自の効果検証を行っています。興味がある方は、ぜひ一度ご相談ください。