毎日たくさん放映されているテレビCMですが、テレビCMにも放映枠や販売方法によってさまざまな分類があることをご存知でしょうか。今回は、よく知られている「タイムCM」「スポットCM」の2種類を中心に、テレビCMの種類についてご紹介します。テレビCMの出稿を考えている企業のご担当者様は、ぜひチェックしてください。
テレビCMは主に「タイムCM」「スポットCM」の2種類
テレビCMとして一般的によく知られているのは、タイムCMとスポットCMの2種類です。まずは、この2つについて詳しく見ていきましょう。
タイムCMとは?
企業が特定の番組に提供する形式で、その番組内のCM枠でテレビCMを放映するものです。番組の前後では、「この番組は、ご覧のスポンサーの提供でお送りします」などとアナウンスされます。
タイムCMは30秒が最小単位であり、放映期間は1クール(3ヶ月)×2が基本です。ただし、ドラマなら1クール、人気のバラエティなら1年間など、期間はそれぞれの番組によって異なるため、注意しましょう。番組によっては、番組の放映期間と全く同じでなくても、CMを放映する期間を1クール、1ヶ月などの単位で契約できるケースもあります。
タイムCMの分類
タイムCMは、放送エリアの違い、提供表示の違いによって、さらに呼ばれ方が異なるケースもあります。
<放送エリアによる分類>
- ネットタイム…全国(キー局+系列のローカル局)で同時に放送されるCMのこと。
- ローカルタイム…あるローカル局、1局の放映エリアだけで放送されるCMのこと。
ネットタイムがキー局(全国系列の中心となる局)を中心とし、全国の系列放送エリアで一斉に放送されるのに対し、ローカルタイムはローカル局1局が持つエリアでしか放送されません。ローカルタイムをキー局に依頼した場合、系列局では放映されず、キー局が持つ放映エリアのみで放映されることになります。
<提供表示の違いによる分類>
提供表示は、CMを放送する秒数によって、以下のように表示される内容が異なります。
- 30秒…「ご覧のスポンサーの提供でお送りしました」というアナウンス、表示
- 60秒…社名や商品名をアナウンス
- 90秒…簡単なキャッチフレーズとともに、社名や商品名をアナウンス
タイムCMのメリット・効果
タイムCMは番組を限定して放送できるため、以下のようなメリットがあります。
- 特定の時間帯にだけCMを放送できる
- アプローチしたいターゲット層へ、効率よく訴求可能
- 番組のイメージと企業や商品のイメージが重なるため、ブランディングにつながる
- 最小でも30秒からという、比較的長めのCMの枠を確保できる
- 社内や系列企業など、内部に対してもPR効果が期待できる
タイムCMは、これまでに何回かCMを放映したことがある企業におすすめの形態です。CMの仕組みや効果がある程度わかっていて、商品やサービスのターゲット層がはっきりしているとき、最も効果を発揮しやすいためです。また、同じ番組内に同様の商品は放送されません。つまり、競合他社を退けることができ、その点でも非常に有利と言えます。
さらに、季節商品のテレビCMでも有利に働きやすいです。例えば、1クールのタイムCMを季節の番組とともに放送すれば、集中的に売り上げを伸ばしやすいでしょう。
スポットCMとは?
スポットCMは、番組に関係なくテレビ局が販売するCM枠のことを指します。ターゲット層が見ている時間帯に合わせ、朝・昼・夜・土日などの指定が可能です。
最小単位は15秒と短い時間から購入でき、期間は自由に設定できるという自由度の高さも魅力で、放送エリアは各局エリアのみ、キャンペーン期間だけ流す、など融通が利きやすいのが特徴です。そのため、一般的にスポットCMはタイムCMと比べてより安価にCMを流しやすい傾向があります。
スポットCMの分類
スポットCMにも、放映形態によって分類があります。
- SB(ステーションブレイク、ステブレ):番組と番組の間に放映されるCM
- PT(ピーティー):番組時間内に放映されるCM
スポットCMの場合、タイムCMとは異なり各局のローカルエリアごとの購入となることに注意が必要です。全国で流せないわけではありませんが、その場合は個別に各局で放映枠を購入しなくてはなりません。
スポットCMの販売パターン
商品やサービスの特性・ターゲットに応じて、さまざまな販売パターンがあります。もちろん、それぞれの販売パターンによってコストも異なりますので、よく検討しましょう。
例えば、全日型・ヨの字型・コの字型・逆L型・一の字型といった販売パターンがあります。全日型は文字通り全ての曜日、全ての時間帯で流すもので、コストが低くターゲット層も幅広いです。他の販売形態には、以下のような特徴があります。
◯ヨの字型
朝・昼・夜と土日に放映する。お昼時にも流れるので、OLや主婦向けの食品・家電・化粧品などのCMが多い。
◯コの字型
朝・夜・土日に放映する。出社前や通学前の会社員・学生などにも訴求するため、飲料・自動車・精密機械などのCMが多い。
◯逆L型
土日・夜に放映する。在宅率が最も高い時間帯に放映するため、コストが高めの傾向にある。自動車・アルコール飲料・家電・映画などのCMが多い。
◯一の字型
夜だけに放映する。子どもや高齢者は見ていないことが多いため、ターゲットをより絞った訴求が可能。アルコール飲料や年齢制限があるゲーム、映画などのCMが多い。
スポットCMのメリット・効果
融通がききやすいスポットCMには、以下のようなメリットがあります。
- キャンペーン期間中のみの放送など、放映期間の自由度が高い
- 放映時間をさまざまな時間帯に設定できるため、幅広いターゲットにリーチしやすい
- 放映する局を1局だけに絞れば、エリア限定のCMを流したり、コストを抑えたりしやすい
スポットCMは、キャンペーン期間中だけ、1局だけの放送など自由度が高いため、初めてCMを流す企業が選ぶCM枠としてもおすすめです。放映期間や放映エリアを予算に合わせて選ぶことはもちろん、ゴールデンタイムに3本、深夜に2本などと組み合わせることで、より効率的にターゲット層にリーチすることができます。
その他のテレビCM

その他、ミニ番組や第3のテレビCMといった分類のCMもあります。
ミニ番組
ミニ番組とは、一つの番組が終了した後、55分ごろから約5~6分程度放送される、ごく短い番組のことを指します。簡易的な天気予報やニュース、地域の生活情報などが多く、ほとんどの番組が1社提供で作られます。
ミニ番組では独占的にCMを流せるため、どうしてもこの時間にCMを流したい、集中して見てほしいなどの場合に効果的です。
Smart Ad Sales(第3のテレビCM)
従来のタイムCMやスポットCMの流れを汲むものの、新しいCM買付手法として「第3の選択肢」が挙げられています。この手法は「第3のテレビCM」と呼ばれており、以下のような買い方が可能です。
- 15秒1本単位から、CM枠を細かく購入可能
- 日付の指定が可能
- ポジションの指定も可能
つまり、「第3のテレビCM」とは、スポットCMよりさらに融通の効くテレビCMでもあります。例えば、以下のようなケースが想定されています。
- 新商品の発売日、集中的にCMを流したい
- 社員のモチベーションアップのため、特定のポジションだけを購入したい
- 一般的なスポットCMでは、なかなか発注しにくい枠を購入したい
- 特定の時間や特定のターゲットをイメージしたクリエイティブを使ったCMを放映したい
さまざまなシーンで欲しいときに欲しい枠だけを購入できる「第3のテレビCM」は、今後もますます注目を集めることでしょう。
まとめ
テレビCMには主にタイムCMとスポットCMの2種類があります。番組を決めて放送する「タイムCM」は、CMを何回か放映した経験がある企業におすすめです。一方、時間帯を決めて放送する「スポットCM」は融通がききやすく、初めてテレビCMを流す企業にもおすすめです。
昨今では第3のテレビCMとして、欲しいだけ購入できる「Smart Ad Sales」という手法もあります。より費用対効果を高めるテレビCMのご相談は、ぜひウルテレまで。